サマリー
◆中国国内第3の証券取引所・北京証券取引所はイノベーション型、創業型、成長型の中小企業向けの株式市場として誕生し、2021年11月15日に81銘柄で取引を開始した。
◆北京証券取引所が今後抱えるであろう問題は、2019年6月に開設された上海証券取引所の科創板と同様となろう。まずは、イノベーション型、創業型、成長型の中小企業の株価評価の難しさが挙げられる。特に技術や製品・サービス面で比較対象の少ない(ない)企業であれば尚更である。さらに、これと表裏一体の特徴として、株価の乱高下のリスクの高さがある。
◆北京・上海・深圳証券市場の三つ巴のイノベーション重視の背景には、当然のことながら米中「ハイテク」摩擦の激化がある。米国とその同盟国がハイテク分野での中国包囲網を構築しようとする中で、中国国内での資金調達の意義が一段と高まったのである。今後の動向に注目したい。
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