サマリー
◆2018年7-9月期の中国の経常収支は233億ドルの黒字となり前期比で黒字幅は拡大した。金融収支(外貨準備を除く、以下同様)は140億ドルの資金流入超となり、資金流入額は前期比で減少した。誤差脱漏は▲401億ドルとなりマイナス幅を拡大した。
◆誤差脱漏における流出超の幅は金融収支の流入超の幅を上回っている。中国の場合、誤差脱漏は投機的資金の動向の目安ともされる。金融収支の資金流入額が小幅になっている状況を踏まえると、今後は誤差脱漏の動向にも注意が必要であろう。
◆海外資本の流入額は4-6月期から横ばいだが、内訳を見ると直接投資は半減している。米中貿易摩擦による対米輸出の減速懸念やこれに伴う中国経済の減速懸念も浮上しており、対内直接投資の減少が一時的となるか今後の動向を注視する必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:四中全会、関税、そして日中関係悪化
米関税下げで2026年の経済見通しを上方修正、ただし内需は厳しい
2025年11月25日
-
【更新版】中国:100%関税回避も正念場はこれから
具体的な進展は「フェンタニル関税」の10%引き下げにとどまる
2025年11月04日
-
中国:100%関税回避も正念場はこれから
具体的進展は「フェンタニル関税」の10%引き下げにとどまる
2025年10月31日

