サマリー
◆9月24日に米中追加関税引き上げ第3弾の発動が予定される。米中貿易は中国の大幅な出超であり、中国は同じ金額・関税率で報復措置を講じることはできない。この場合、輸出面では中国への影響がより大きくなるが、輸入面では中国への影響がより小さくなる。中国が自制した対応をすることで、中国の景気への影響をより小さくすることが可能であることが示唆される。
◆固定資産投資の底打ち・回復の鍵を握るのはインフラ投資である。ただし、足元のインフラ投資の急減速はデレバレッジ(負債率引き下げ)の成果でもあり、それに目をつぶってインフラ投資の回復を求めることは、デレバレッジが棚上げになるリスクを含んでいることには注意が必要であろう。
◆中国では10月1日より個人所得税の基礎控除額が引き上げられる。2018年第4四半期は所得税減税が消費をある程度下支えしよう。デレバレッジ棚上げの良し悪しは別にして、政府が経済の安定化を最重視する以上、インフラ投資の底打ち・回復への期待も高まろう。外需の不透明感が増す中で中国の景気は減速しようが、そのペースは緩やかなものになるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日