サマリー
中国の非金融企業部門を中心とする債務残高は、金融危機や景気の急減速が生じることが強く懸念されるレベルに積み上がっている。当面は問題の先送りが可能であろうが、中長期的には金融危機的な状況が生じる可能性は否定できない。
デレバレッジの前に、国有企業の収益性や製品の付加価値を高めることに資する政策の推進がなされるべきであろう。そして、拙速なデレバレッジは禁物である。中国が企業の債務レバレッジの引き下げを急激に進めれば、企業倒産・失業者の急増や信用収縮が発生し、経済に大きなダメージを与え得る。デレバレッジを漸進的に進める以外に、ソフトランディングの道はない。
さらに言えば、企業債務の膨張には、企業の資金調達手段として銀行貸出といった間接金融への依存度が極端に高く、直接金融(株式市場)が有効に機能していないという問題も大きい。企業債務問題のソフトランディングには、国有企業改革と資本市場改革の推進が不可欠であろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:飲食業景気指数が過去最低に
内巻(破滅的な価格競争)の悪影響は中小型店に集中
2026年04月24日
-
中国:2026年は政府成長率目標の下限か
ただし、中東情勢緊迫長期化で下振れリスク高まる
2026年04月21日
-
中国:26年1Qは予想外の堅調で5%成長
ただし、中東情勢緊迫長期化なら政府目標4.5%~5%成長は困難に
2026年04月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

