サマリー
◆国家統計局によると、2017年の中国の実質GDP成長率は前年比6.9%(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)と、2017年3月の全人代で示された政府経済成長率目標である6.5%前後を十分に達成した。実質GDP成長率は2010年の10.6%を直近のピークに6年連続で低下したが、2017年は2016年の6.7%を上回り、7年ぶりの加速となった。
◆2018年の実質GDP成長率は6.3%程度に低下しよう。金融引き締め効果の発現、住宅販売不振に伴う関連投資・消費への悪影響など2018年の中国経済には減速要因が多い。懸念されるのは、習近平一強体制の中で金融リスク防止や住宅価格抑制策が効きすぎるリスクが台頭していることである。もちろん、景気減速が明らかになれば、行き過ぎた金融引き締めは緩和されるであろうし、ある程度の成長率を維持するために、下半期以降はインフラ投資のさらなる増強などの景気下支え策や、住宅価格調整が進展した一部都市では当該地域に戸籍を持たない家計に住宅購入を再び認める(住宅の投資・投機需要を刺激する)といったテコ入れ策が打ち出される可能性があろう。ただし、その効果は直ぐには出ない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日