サマリー
◆四半期毎の実質GDP成長率は2015年1月~3月以降、6.7%~7.0%(以下、変化率は前年比、前年同期比、前年同月比)の極めて狭いレンジで推移しているが、名目GDP成長率は2015年10月~12月の6.4%をボトムに、2017年1月~3月には11.8%へと急回復した。両者の差であるGDPデフレーターの急上昇は、工業分野、なかでも川上産業の価格急騰によってもたらされている。企業業績の急回復はデフレ脱却によるところが大きい。
◆2017年の実質GDP成長率は6.8%程度、2018年は6.3%程度となろう。成長率低下は、主に住宅販売不振に伴う関連投資・消費の減速によるものである。政策運営では、①金融リスクなど重大リスクの防止、②脱貧困、③環境汚染防止、が重視される可能性が高い。①と③について、「一強(習近平総書記)」への行きすぎた忠誠はリスク要因になり得る。副作用が大きくなったり、政策が効きすぎるリスクである。2018年は「一強」と「その他(官庁、地方政府)」の関係に、どのように折り合いをつけていくのかが、経済安定にとっての注目点の一つとなろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:新5カ年計画の鍵は強国と自立自強
基本方針は現5カ年計画を踏襲、構造問題の改革意欲は低下?
2025年10月24日
-
中国経済見通し:米中摩擦と厳しさ増す内需
固定資産投資は前年割れ。米中貿易戦争は再び激化?
2025年10月21日
-
15・5計画、構造問題への処方箋を出せるか?
5年間の平均成長率目標は設定「できない」可能性大
2025年10月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日

