サマリー
◆2016年8月の主要経済統計は、前月から改善したものが多い。こうした改善・回復は短期的なものなのか、それとも持続が期待できるのか?固定資産投資と消費については、持続性に疑問符が付く。景気減速局面の小休止といったところが妥当ではないか。
◆2016年1月~8月の固定資産投資は前年同期比8.1%増と、1月~7月(同8.1%増)から横這いであった。ただし、単月のデータを見ると、8月は前年同月比8.2%増と7月の同3.9%増から回復した。固定資産投資はインフラ投資への依存を過度なほどまでに高めている。今後、短期的にはともかく、インフラ投資だけで全体を支え続けることは難しい。
◆2016年8月の実質小売売上は前年同月比10.2%増と7月の同9.8%増から伸びがやや高まった。年末に向けて実質小売売上の加速要因は少なくない。具体的には、豚肉価格沈静化による物価低下が実質消費の加速をサポートすることに加え、(1)急成長するネット販売が11月11日の独身者の日をはじめ11月~12月に安売り攻勢を仕掛けること、(2)排気量1.6L以下の乗用車の車両購入税の半減措置(価格の10%⇒5%)が今年12月末に終了するため、その駆け込み需要が高まること、などがある。ただし、(1)や(2)は需要の先食いの面がある。より注意しなければならないのは、実質可処分所得の鈍化が続いていることである。こうした状況の中では実質消費が加速していくのは難しい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:綱紀粛正強化と経済の萎縮
中央委員は5年で2割減の異常。問われることのない任命責任
2026年10月30日
-
中国経済見通し:不動産不況の底打ちに期待
見通しを2026年4.5%→4.6%、2027年4.2%→4.4%に引き上げ
2026年10月22日
-
中国:26年7~9月は4.5%成長の低空飛行
さらなる景気テコ入れ策の可能性も
2026年10月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

