サマリー
◆2015年1月~5月の固定資産投資は前年同期比11.4%増と、1月~4月の同12.0%増から一段と減速し、輸出も5月まで3ヵ月連続で前年割れとなるなど冴えない状況が続いている。
◆大和総研は、中国の景気は7月~9月にも下げ止まると見ているが、その後の回復力は強くないであろう。
◆地方政府融資平台(中国版第三セクター)のプロジェクトについては、政府当局が融資継続を指示する「意見」を発表し、これによって、既に融資を受けているプロジェクトが、資金不足によって途中で野晒しになるリスクは大きく低下した。さらに、政府は2015年に返済期限を迎える地方政府債務の多くを地方債に置き換える計画である。地方政府債務の長期化・分散化・低金利化によって問題の先送りは可能で、当面の危機は回避されよう。
◆今後は、2014年11月、2015年3月、5月の利下げや2月と4月の預金準備率引き下げの効果が徐々に発現すると期待される。さらに、今後、不動産開発投資が底打ちし、緩やかに回復していく可能性がある。不動産開発投資の先行指標である住宅販売金額は、2015年1月~2月の前年同期比16.7%減をボトムに、1月~5月には同5.1%増へ回復した。5月単月では前年同月比30.4%の増加である。タイムラグは6ヵ月~9ヵ月であり、不動産開発投資は、早ければ7月~9月期にも底打ちする可能性があることを示唆している。ただし、地方都市の住宅在庫は月間販売の20ヵ月程度と高水準のままであり、不動産投資の回復は、大都市を中心とした緩やかなものにとどまると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:堅調スタートも持続性には疑問符
不動産不況、需要先食いのツケ、中東情勢緊迫化
2026年03月24日
-
中国:第15次5カ年計画を読み解く
成長率目標は設定されず。数値目標は安全保障の優先度上昇を示唆
2026年03月16日
-
中国:成長率目標引き下げも達成は困難か
さらに強化した積極的財政政策は有名無実化
2026年03月06日
最新のレポート・コラム
-
日本は国際的な人材獲得競争で勝てるのか
外国人労働者の増加継続を見込むも経済下振れと円安がリスク要因
2026年04月07日
-
2026年2月消費統計
財は弱いもののサービスが強く、総じて見れば前月から小幅に増加
2026年04月07日
-
原油高・リスクオフ下での新興国の耐性は
脆弱性が最も懸念されるのは南ア。耐性が高いのはブラジル
2026年04月06日
-
トランプ大統領「米国政府と契約したければDEIをやめなさい」
大統領令を発出し、米国政府の契約先企業によるDEIへの取り組みを精査・規制する方針を明示
2026年04月06日
-
「第3次オイルショック」発生リスクへの日本の対応は十分か
2026年04月08日
よく読まれているリサーチレポート
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
-
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
-
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中東情勢緊迫化が日本経済の下振れリスクに
原油価格100ドル/バレルで26年度の実質GDP成長率は▲0.2%pt
2026年03月02日
ガバナンス・コード改訂による取締役会等機能強化
取締役事務局の役割を列挙、保有現預金の検証、「コーポレートセクレタリー」への言及など
2026年03月11日
「SaaSの死」は何を意味するのか?
AIエージェントが促すSaaS業界の構造変化、経済社会・雇用への波及
2026年03月03日

