サマリー
◆2014年7月の新築住宅価格は前年同月比2.5%上昇と、2013年12月の同9.9%上昇をピークに鈍化傾向にある。販売面積や販売金額は、住宅価格に3ヵ月~9ヵ月程度先行する傾向があり、今後、住宅価格はさらに調整し、前年比で下落に転ずる可能性は極めて高くなっている。
◆今後の調整が従来のように短期で終了するのか、長期化するのかについては、現地専門家の見方は二分している。結局のところ需要が旺盛で在庫がさほど積み上がっていない大都市の価格調整は短期で終了し、そうでないところは調整が長期化するため、住宅市場は二極化に向かおう。
◆住宅市場の調整期間に対する見方は二分しているが、地方政府の財政収入が土地使用権譲渡収入に過度に依存した「土地財政」は持続不可能であり、抜本的な税制改革が必要不可欠であるとの見方は共通している。
◆大和総研は、「不動産のストックに広く浅く課税する不動産税(固定資産税)を導入し、これを地方政府の安定財源とする。その一方で、土地使用権譲渡収入は中央の財源とし、地方政府が財政収入確保や債務返済の必要から土地使用権を高値で譲渡しなければならない、というインセンティブを一旦は断ち切る。その上で中央の財源となった土地使用権譲渡収入は、地方への財政移転や保障性住宅の建設などに使い、保障性住宅をしっかりと供給することで社会不満を和らげる」ことが肝要と主張してきた。2014年8月15日には、国務院法制弁公室が「不動産登記暫定条例(意見聴取版)」を発表し、9月15日までパブリックコメントを受け付けるとしている。中国政府は、今後3年間で不動産統一登記制度を確立するとしており、不動産税導入のための準備が本格化しつつある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国経済見通し:2026年4月は急減速
固定資産投資は再び前年割れ、小売売上は微増にとどまる
2026年05月26日
-
中国版「就職氷河期」への懸念
中国若年層の高失業率問題の構造要因、解決の決定打はない
2026年05月21日
-
米中首脳会談、余裕の中国と成果乏しい米国
トゥキディデスの罠、台湾問題、通商問題、イラン情勢
2026年05月18日
最新のレポート・コラム
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
被扶養者の出生率低下と割合低下が2017年度以後の出生率低下の大部分を説明
医療保険属性別出生率の推計結果:2024年度版
2026年06月08日
-
増えつつある株主総会の月曜日開催
慣行となっていた月曜日開催回避だが、その必要性は薄れている
2026年06月08日
-
2026年1-3月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率はプラス幅が縮小し、設備投資はマイナス転換
2026年06月08日
-
家計所得の拡大を好循環につなげるには資産形成の高度化と社会保障改革が必要
2026年06月08日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

