中国:シルクロード経済ベルト構想と中国西部

沿岸部とは違った改革開放の段取りが必要

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2013年11月28日

サマリー

◆2013年11月12日に閉幕した三中全会において、中国政府の指導部は自由貿易区の設置を加速させ内陸部の開放度を高めていく方針を表明した。同年9月末には上海において自由貿易試験区が設立されたが、その拡大ペースが注目されている。機を同じくして、9月に習近平主席は中央アジア諸国を歴訪した際、ポスト東南アジアとして上海協力機構(SCO)をベースとしたシルクロード経済ベルト構想に言及した。


◆この構想は中国にとって、資源の安定確保の緊急性や中央アジアの外交スタンスの変化、欧州市場へのアクセスの円滑化など複数の課題の解決の糸口を有すると捉えられている。同時に、中央アジアと国境を接する中国西部の発展に繋がる産業支援も実施できるだろう。自由貿易試験区などの制度を中国政府がどのように活かすか、その舵取りが注目される。

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