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中国:目的は金融秩序回復、結果は市場が混乱

上海銀行間取引金利(SHIBOR)急騰の背景

2013年06月25日

経済調査部 主席研究員 齋藤 尚登

サマリー

◆6月20日にかけて上海銀行間取引金利(SHIBOR)が急騰した。金融当局は、銀行システム以外で調達された資金が、貸出リスクの高い中小企業や期待収益率の低いプロジェクト、不動産に向かっていることに懸念を持っていた。中国人民銀行がオペレーションによって資金を供給し、金利低下を促すことは可能であり、それを敢えてしなかったのは、金融秩序の乱れに対する金融当局の不快感を表明し、金融秩序の回復を促すためであったと考えられる。


◆結局、SHIBOR翌日物は6月5日の4.62%から6月20日には13.44%へ急騰し、6月24日の上海総合株価指数は前日比5.3%の急落を演じた。金融秩序の回復に向けた荒療治が、金融・資本市場の混乱を招いたのである。


◆金融秩序の乱れに対する中国人民銀行の不快感は十分にマーケットに認識され、アナウンスメント効果としては、所期の目標は達成できたといえよう。SHIBORも6月20日をピークに低下傾向にある。しかし、金融秩序の回復には、まだ時間が必要である。


◆地方政府融資平台やシャドーバンキングについては、負債残高を増やさないことが肝要である。おそらく、政府(省レベル)との関係が密接な貸出先に対しては、ロールオーバー(借り換え)によって、返済期限の長期化と分散化が図られよう。抜本的な処理が行われなければ、単なる先延ばしにすぎないが、それでも中国の経済規模の拡大によって、インパクトの逓減は期待できるようになる。一方で、市町村など下位の地方政府との関係が深く、かつ期待収益率が低い貸出先については、貸し倒れリスクは増大するので注意が必要であろう。

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