サマリー
◆2013年前半の中国の景気は回復の足取りが重い状態が続いている。しかしながら、これは等身大の成長へと調整したい習近平新政権の思惑も含まれており、一段と老朽化した設備の廃棄を指示したり、投資依存型の成長を反省し、投資を厳選したりするなど、成長の鈍化を容認する姿勢を見せている。消費では新政権の意向で倹約令が出され、地方政府の高級官僚御用達のレストランや、旧来の高級贈呈品などの売れ行きが打撃を受けている。
◆とはいうものの、消費サイクル自体は例年と同様のパターンを示しており堅調と捉えられる。さらに、2012年で小売売上総額の6.1%とまだシェアは低いが、ネットショッピング市場を利用する賢い消費者が増えている現状も受け止めるべきだろう。ネット市場が示唆するのは、第三次産業の成長拡大余地であり、金融分野も含めた規制緩和は、今後、中小企業の育成や、外国資本の流入の呼び水となり、産業構造の改革を後押しするのではないだろうか。
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