中国:ネット市場が示唆する成長余力
等身大の経済活動が導く消費市場の多様化
2013年06月20日
サマリー
◆2013年前半の中国の景気は回復の足取りが重い状態が続いている。しかしながら、これは等身大の成長へと調整したい習近平新政権の思惑も含まれており、一段と老朽化した設備の廃棄を指示したり、投資依存型の成長を反省し、投資を厳選したりするなど、成長の鈍化を容認する姿勢を見せている。消費では新政権の意向で倹約令が出され、地方政府の高級官僚御用達のレストランや、旧来の高級贈呈品などの売れ行きが打撃を受けている。
◆とはいうものの、消費サイクル自体は例年と同様のパターンを示しており堅調と捉えられる。さらに、2012年で小売売上総額の6.1%とまだシェアは低いが、ネットショッピング市場を利用する賢い消費者が増えている現状も受け止めるべきだろう。ネット市場が示唆するのは、第三次産業の成長拡大余地であり、金融分野も含めた規制緩和は、今後、中小企業の育成や、外国資本の流入の呼び水となり、産業構造の改革を後押しするのではないだろうか。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年05月25日
肥大化する業務
その業務は利益に貢献しているのか
-
2022年05月24日
欧州経済見通し まとわりつく負のオーラ
ウクライナ侵攻の長期化によって、不透明さを払拭できず
-
2022年05月24日
日本経済見通し:2022年5月
経済見通しを引下げ/サービス消費等の「伸びしろ」が景気を下支え
-
2022年05月24日
中国:ゼロコロナ政策下の中国経済の行方
年後半は明確に回復も22年は4.5%程度の実質成長にとどまると予想
-
2022年05月25日
「制度」と「執行」の狭間にある闇
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年01月24日
円安は日本経済にとって「プラス」なのか「マイナス」なのか?
プラスの効果をもたらすが、以前に比べ効果は縮小
-
2022年03月23日
ロシアのウクライナ侵攻で一気に不透明感が増した世界経済
-
2022年02月10日
ロシアによるウクライナ侵攻の裏側にあるもの
ゼレンスキー・ウクライナ大統領の誤算
-
2022年03月17日
FOMC 想定通り、0.25%ptの利上げを決定
ドットチャートは2022-24年にかけて、計10.5回分の利上げを予想