サマリー
◆中国人民銀行によると、2013年1月~4月の社会資金調達金額は前年同期比62.9%増の7.9兆元(約130兆円)に達した。その一方で中国の景気回復は足踏みとなっている。両者のギャップについては、(1)社会資金調達金額には重複計上の問題があり、実際はデータが示すほど急増しているわけではない、(2)生産能力過剰問題や企業の収益力低下のため、調達された資金は、固定資産投資に向かわず、不動産投資・投機などに向かっている、(3)とはいえ、社会資金調達金額は真水の部分でも増加しており、今後の固定資産投資の増加などにつながる、といった議論がある。大和総研では、これらが同時に生じているのが現状とみている。
◆上記(3)について、固定資産投資の資金調達額(前年累計比)の推移をみると、2013年1月~4月の資金調達額の65.2%を占める自己調達資金の伸びが鈍化するなか、全体の13.8%を占める国内貸出は2012年年初をボトムに回復傾向にあり、資金調達額の緩やかな増加を下支えしている。昨年来の金融緩和の効果が徐々に表れているといえよう。大和総研では、2013年の固定資産投資の伸び率は前年比21.5%増と、2012年の同20.6%増から若干上向くと想定している。
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