サマリー
2012年11月15日の第18期党中央委員会第1回全体会議で、習近平氏を総書記とする中国共産党新指導部が誕生した。最高指導部を形成する中央政治局常務委員人事では、経済通の王岐山氏が、序列6位の中央紀律検査委員会書記に就任し、経済分野の担当から外れた。何よりも「安定」が最優先された結果であろうが、逆に言うと、既得権益層に切り込んでいくような積極的な改革はなかなか進まないかもしれないとの懸念があろう。
胡錦濤政権で注力された底辺の底上げや民生改善の最大の目的は、高成長路線のひずみである格差拡大や環境破壊に対する一般大衆の不満を和らげ、中国共産党への支持をつなぎとめておくことである。これは誰が政権を担っても踏襲せざるを得ない。当面は現在の経済政策の継続が想定される。
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