中国:ちぐはぐ感を解く鍵は政治・社会>経済

インフレ、元高、2012年の景気過熱リスクの共通項

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2011年05月19日

サマリー

中国人民銀行が金融引き締めを強化する一方、国家発展改革委員会は2011年の食糧国家買入価格を大幅に引き上げ、地方政府は2010年に続き2011年も最低賃金を大きく上げている。インフレ抑制に対して、政府が一枚岩ではないようにみえるが、このちぐはぐ感を解く鍵は、政治・社会的最重点課題(低所得者層の底上げ)と経済的最重点課題(インフレ抑制)が異なり、それぞれが任務遂行に邁進していることにある。そして、中国では往々にして政治・社会的問題が、経済問題に優先される。大胆な元高が進展しない(できない)こと、そして大和総研が2012年に景気過熱リスクが高まると想定する背景も政治・社会問題>経済問題という構図なのである。

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