中国:川下産業で在庫調整が進み生産拡大へ

川上産業は資本ストック調整による在庫調整が本格化へ

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2012年10月30日

サマリー

◆中国企業が生産を抑制することで、在庫調整を進めている。9月の鉱工業生産の実質伸び率は前年同月比9.2%増と、8月の同8.9%増から0.3%ポイント上昇したものの、6ヵ月連続の同10%割れとなっている。また、生産者物価指数(PPI)で実質化した在庫の伸びは、2011年11月の前年同月比20.1%増をピークに鈍化が続き、2012年9月では同13.7%増となった。鉱工業生産の実質伸び率と在庫の実質伸び率の差である出荷・在庫バランスは、2011年後半から低水準の横ばい状態で推移している。

◆今後の動向は川上・川下産業で異なる。過剰在庫を持つ石炭採掘業や鉄の精錬・加工業などの川上産業は既存設備の稼働率を下げ、加えて新規の生産能力拡張の抑制などの資本ストック調整を進めることで在庫調整が本格化していく。一方、既に在庫調整が大きく進展している電気機械・設備製造業などの川下産業は在庫調整局面から生産拡大局面への移行が期待できよう。

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