サマリー
◆グローバル金融危機以降、中国の対外不均衡是正は、国内不均衡の一層の拡大と裏腹の関係にある。
◆これまでの投資・輸出主導の成長モデルは、投資効率、資源や環境への影響、所得分配上の問題等から、持続可能でなくなりつつある。
◆貿易面では、近年、新興・途上地域との貿易シェアが拡大し、また一般貿易の比重が高まる等の構造変化が見られる。
◆消費主導の成長モデルへの転換に関し、近年の最低賃金の引き上げや、衣料・社会保障等の公共支出の増加の動きが鍵になる。
◆中国の成長モデルの転換は、近隣アジア諸国との関係で、ウインウインをもたらすことが期待できる。
(注)本稿は、外国為替貿易研究会発行「国際金融」2012年9月号に掲載された原稿を加筆修正したものである。
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