中国:2012年4月~6月の景気底打ちを想定

省エネ製品の消費刺激策を発表

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2012年05月18日

サマリー

◆大和総研は、中国の景気は2012年1月~3月に底を打つとみていたが、その時期は、後ずれする可能性が高くなった。年後半以降、景気は緩やかに回復していこう。今後、景気が緩やかながらも着実な回復軌道に乗るまで「預金準備率引き下げ+優先分野への貸出増加を目的とした窓口指導」が続けられよう。大和総研は、年内にあと2回の預金準備率引き下げを想定している。「景気刺激+実質預金金利のプラス維持+銀行の利益独占批判への配慮」の解として、預金金利は据え置き、貸出基準金利のみを引き下げる可能性があろう。

◆固定資産投資は、不動産開発投資が急減速の様相を呈する一方で、インフラ投資には持ち直しの動きがみられる。インフラ投資では、電気・ガス・水道向けが急回復しているのが目立つ。景気浮揚には都市部の消費テコ入れが重要であるが、2012年は消費刺激策に空白期間が生じていた。こうしたなか、5月16日の国務院常務会議では、省エネ家電などの消費刺激策の実施を発表した。省エネ性能に優れたエアコン、薄型テレビ、冷蔵庫、洗濯機、湯沸し器に対して財政から265億元の補助金を支給することを決めており、今後の動向が注目される。

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