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中国:家計金融資産の75.9%が現・預金

伸び代が大きい保険・年金準備金

2012年03月01日

経済調査部 主席研究員 齋藤 尚登

サマリー

◆中国住民収入分配年度報告2011年版によると、2010年末の家計金融資産は前年比18.2%増の49.5兆元(約609兆円)となった。一人当たりでは36,954元(約45.5万円)である。内訳をみると、現・預金が全体の75.9%を占めるなど、運用先の分散は進んでいない。

◆2011年の家計金融資産は伸びが大きく鈍化した公算が大きい。(1)2011年末の家計貯蓄残高は前年比12.7%増の35.2兆元と伸びが減速した、(2)株価下落を受けて、上海・深圳市場の流通時価総額は2010年末の19.3兆元から2011年末は16.5兆元へと14.6%減少した、(3)2011年の保険料収入は前年比10.5%増(2010年は30.4%増)の1.4兆元と伸び悩んだ、ことなどからすると、全体の伸びが抑制されると同時に、現・預金のウエイトがさらに高まっている可能性が高い。

◆中長期的に、保険・年金準備金の伸び代は大きい。2008年当時は就業者の7割が無年金という状態であったが、中国政府は年金改革の一環として、2009年に新型農村社会年金を、2011年に都市住民社会年金を開始した。これは積年の課題であった国民皆年金に向けた動きであり、金融資産としての保険・年金準備金のウエイト拡大をもたらそう。保険会社や年金基金は、日米欧では機関投資家の重要な一角を担っているが、中国では投資原資が小さいために、本格的な機関投資家となるには至っていない。株式市場の厚みを増すためにも規模拡大が期待されている。

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