サマリー
◆2011年の中国の実質GDP成長率は9.2%と、2010年の10.4%成長からは鈍化した。四半期毎では、1月~3月の9.7%成長以降、9.5%、9.1%、そして10月~12月は8.9%へとペースダウンしている。
◆2012年の固定資産投資は伸びが鈍化する見通しである。不動産開発投資は、住宅販売の不振や価格下落、土地使用権購入面積の減少など、先行きに暗雲が立ち込めており、2012年1月~2月の投資が前年同期比5%~10%増程度へと急減速する可能性がある。これが確認されれば、次は景気の下振れを回避するために、政府がいつ、不動産投資規制を緩和するかに、焦点が移っていこう。タイミングとしては、早ければ3月~4月が注目され、その後2ヵ月~3ヵ月のラグを以て不動産開発投資は、底打ちから緩やかな改善に向かうと想定している。
◆物価上昇率の鈍化傾向が続くと想定される2012年は、実質消費の堅調が期待できよう。中国の消費性向が低下し続けてきた要因のひとつに、年金加入率が低いなど将来への不安が大きいことが挙げられるが、2012年にも「国民皆年金」が実現する可能性がある。この動きが、どの程度、消費性向の低下に歯止めがかけられるかも、注目材料となろう。
◆2012年の固定資産投資は伸びが鈍化する見通しである。不動産開発投資は、住宅販売の不振や価格下落、土地使用権購入面積の減少など、先行きに暗雲が立ち込めており、2012年1月~2月の投資が前年同期比5%~10%増程度へと急減速する可能性がある。これが確認されれば、次は景気の下振れを回避するために、政府がいつ、不動産投資規制を緩和するかに、焦点が移っていこう。タイミングとしては、早ければ3月~4月が注目され、その後2ヵ月~3ヵ月のラグを以て不動産開発投資は、底打ちから緩やかな改善に向かうと想定している。
◆物価上昇率の鈍化傾向が続くと想定される2012年は、実質消費の堅調が期待できよう。中国の消費性向が低下し続けてきた要因のひとつに、年金加入率が低いなど将来への不安が大きいことが挙げられるが、2012年にも「国民皆年金」が実現する可能性がある。この動きが、どの程度、消費性向の低下に歯止めがかけられるかも、注目材料となろう。
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