サマリー
◆2012年は消費の堅調が期待でき、物価上昇圧力の低下が実質消費の伸びをサポートしよう。不動産開発投資は大きく減速するリスクがあるが、そうなれば、次は景気の下振れを回避するため、政府がいつ、不動産投資規制を緩和するかに、焦点が移っていこう。基本シナリオでは、堅調な消費に加え、年後半は投資が回復していくことで9%成長が可能だとみている。
◆一方で、輸出の伸びがマイナスに落ち込むような場合、中国は内需を大きく刺激する必要に迫られることになる。2008年11月の4兆元の景気対策の再現が期待されるが、中央政府に財政出動余地はあっても、地方政府融資平台(中国版第三セクター)向けの貸出不良債権化リスクなどを抱える地方政府の出動余地は限られる。輸出が落ち込む場合、経済成長率の8%割れも想定しておく必要があろう。ただし、その実現の可能性は低く、大和総研では確率は1割程度とみている。大和総研の2012年の主要国・地域経済見通しによると、ユーロ圏はマイルドリセッションが想定されるが、日本と米国は、成長が加速するとの見通しとなっている。
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