サマリー
◆中国の金融が引き締めすぎになるのではないか?との懸念が高まっている。特に、中小銀行の貸出余力はかなり逼迫しており、現地では中国人民銀行の次の一手は、預金準備率の「引き下げ」との見方も出てきている。ただし、これが実現したとしても行きすぎの修正であり、金融緩和の始まりを意味するわけではない。
◆物価抑制は当初想定していたほど、容易なものではなかった。ピークアウト時期は後ずれし、今後の鈍化ペースも緩やかなものとなろう。当面の中国経済は、ブレーキから足が離れることなく、アクセルが同時に踏まれる状況が続くと想定される。ブレーキとは、金融引き締め維持、高級不動産の投資・投機抑制、省エネ・環境保護の重視であり、アクセルとは、積極財政、保障性住宅の建設加速、第12次5ヵ年計画の本格始動である。大和総研では、2012年の実質GDP成長率見通しを従来の12.0%から10.2%に引き下げた。また、従来は景気過熱を抑制するために、2012年に大幅な金利引き上げを想定していたが、そのリスクも低下しよう。
◆物価抑制は当初想定していたほど、容易なものではなかった。ピークアウト時期は後ずれし、今後の鈍化ペースも緩やかなものとなろう。当面の中国経済は、ブレーキから足が離れることなく、アクセルが同時に踏まれる状況が続くと想定される。ブレーキとは、金融引き締め維持、高級不動産の投資・投機抑制、省エネ・環境保護の重視であり、アクセルとは、積極財政、保障性住宅の建設加速、第12次5ヵ年計画の本格始動である。大和総研では、2012年の実質GDP成長率見通しを従来の12.0%から10.2%に引き下げた。また、従来は景気過熱を抑制するために、2012年に大幅な金利引き上げを想定していたが、そのリスクも低下しよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
中国:力不足、あるいは迷走する政策と景気減速
依然不透明なトランプ関税2.0の行方
2025年08月22日
-
中国:年後半減速も2025年は5%前後を達成へ
不動産不況、需要先食い、トランプ関税2.0の行方
2025年07月22日
-
中国:内巻(破滅的競争)と上乗せ関税の行方
追加関税大幅引き下げでも製造業PMIは50割れが続く
2025年06月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日