サマリー
◆中国人民銀行(中央銀行)は、7月7日より1年物貸出基準金利と1年物定期預金金利を0.25%引き上げ、それぞれ6.56%、3.50%にすると発表した。今後の金利政策は物価次第であり、これから2~3ヵ月間、すなわち7月~9月のCPI統計が重要な鍵を握る。6月下旬には、温家宝総理が英FT紙に異例の寄稿を行い、(1)これまでの金融引き締めの効果が表れ、量的抑制は効いている、(2)食糧生産は7年連続の増産であり、国家備蓄を含め十分な供給が確保されている、ことから物価上昇はコントロール可能範囲で、年後半には上昇ペースが緩やかに鈍化するとした。前年同月比でみた上昇率は、前年水準が高かった年後半、特に秋口以降、沈静化に向かう公算が大きい。貸出基準金利引き上げは年内様子見となる可能性が高いであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
【更新版】中国:100%関税回避も正念場はこれから
具体的な進展は「フェンタニル関税」の10%引き下げにとどまる
2025年11月04日
-
中国:100%関税回避も正念場はこれから
具体的進展は「フェンタニル関税」の10%引き下げにとどまる
2025年10月31日
-
中国:新5カ年計画の鍵は強国と自立自強
基本方針は現5カ年計画を踏襲、構造問題の改革意欲は低下?
2025年10月24日

