中国が3ヵ月ぶりの利上げ

貸出基準金利引き上げは年内様子見の可能性

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2011年07月07日

サマリー

◆中国人民銀行(中央銀行)は、7月7日より1年物貸出基準金利と1年物定期預金金利を0.25%引き上げ、それぞれ6.56%、3.50%にすると発表した。今後の金利政策は物価次第であり、これから2~3ヵ月間、すなわち7月~9月のCPI統計が重要な鍵を握る。6月下旬には、温家宝総理が英FT紙に異例の寄稿を行い、(1)これまでの金融引き締めの効果が表れ、量的抑制は効いている、(2)食糧生産は7年連続の増産であり、国家備蓄を含め十分な供給が確保されている、ことから物価上昇はコントロール可能範囲で、年後半には上昇ペースが緩やかに鈍化するとした。前年同月比でみた上昇率は、前年水準が高かった年後半、特に秋口以降、沈静化に向かう公算が大きい。貸出基準金利引き上げは年内様子見となる可能性が高いであろう。

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