2025年03月26日
サマリー
◆個人株主の議決権行使比率は緩やかな上昇傾向にあるものの、水準としては40%程度となお低く、さらなる引き上げの余地がある。個人株主は一人当たりの持株比率が低く、議決権行使の意義や便益を感じにくい上、足元では平均保有銘柄数が増加しており、各種書類に目を通す負担も大きくなっていると考えられる。
◆議決権行使比率を高めるような画期的な手段はなく、基本的には議決権行使の便益(議決権行使の意義など)を強調したり、議決権行使のための「費用」(招集通知等を読み解く精神的負担、議決権行使にかかる時間的負担など)を引き下げたりすることが数少ない対策となる。なお、議決権行使を行った株主に金券等を送付する例もあるが、いわゆる委任状争奪戦の最中の株主総会において金券を送付した事例について、送付の意図をめぐって問題となったこともある。特殊性の強い事例ではあるものの、金券等の送付を検討する際には注意が必要だろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
日銀のETF売却とスチュワードシップ責任
超長期投資家となる日銀のスチュワードシップ責任の果たし方
2025年09月26日
-
日本銀行がETF・J-REITの市場売却を決定
100年以上かけた超長期売却計画には備えが必要
2025年09月22日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日