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ドル資金需要に対応する中央銀行間スワップ

G20に参加する新興国への手当てが課題

金融調査部 研究員 中村 文香

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

政策調査部 主任研究員 土屋 貴裕

サマリー

◆3月以降の市場の動揺を受け、各国でドル資金の需要が高まり、ドルの調達コストが上昇している。こうした事態に対応するため、FRBは既存の中央銀行間スワップラインの強化や、新たなスワップラインの締結を行った。

◆ドル供給網に含まれる国は、ドル流動性危機を当面回避できると考えられるが、それ以外の国へも手当てが必要となるだろう。とりわけ、世界経済への影響力が大きいG20に参加する新興国のドル建て債務残高に注目すると、ドル供給網に含まれていない国のドル建て債務が大きく、増加幅も大きい。現在のドル供給網では、カバーしきれないドル建て債務が多く存在しているといえよう。

◆スワップラインの強化で、新興国からの資金流出を補う効果が期待できる。しかし、多くの新興国では、たとえ新型コロナウイルスの感染拡大を防げたとしても、経常収支の黒字幅拡大が難しい中で資金流出が長引き、外貨調達が困難となれば、流動性危機を引き起こしかねない。新興国での危機は金融市場を通じて先進国にも及ぶことになる。G20内の幅広い新興国向けのドルスワップラインの拡充の検討等が必要になってくるのではないか。

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