2019年07月23日
サマリー
本稿では、地域銀行(地銀)の中期経営計画(中計)から地銀が抱える本質的な経営課題の分析を試みた。本質的な経営課題とは、投資家や監督当局が注目する評価項目に中計が十分に応えられていない点である。効率性の向上や役務収益の拡大などが今後の地銀経営の焦点であるが、これらを計数目標として設定している銀行は課題解決の緊急性に鑑みると多くない。
中計の計数目標を分類し、特定の計数の有無によって経営指標に差があるかを分析すると、効率性計数の設定行は非設定行に比べて良好な効率性を示しているが、預り資産関連計数に関しては有意な差は見られなかった。効率性は経営がコントロールできるが、預り資産ビジネスは、その成果が外部環境に依存する部分が大きいことによると考えられる。
稼ぐ力の持続可能性を求められる地銀にとって、今後の中計に求められるのは、戦略と計数目標のつながりをより強く意識した中長期の計画を描くことと、それを可能ならしめる組織と人材をより変革することだろう。ただし、個別行で限界があるならば、既に実施されている複数行の連携に活路を見いだし、業界全体の変化に結び付けていくことが必要ではないか。

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