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金融政策正常化の中で不安定化する国際金融システム

『大和総研調査季報』 2019 年新春号(Vol.33)掲載

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

森 駿介

サマリー

欧米において金融政策の正常化が進んでいる。しかし、2018 年以降の世界経済は下押しリスクが高まっており、米中貿易摩擦やBrexit に向かうプロセスなど不確実性も高い。今後、市場参加者が想定していないペースで金融政策の正常化が進んだ場合、国際金融システムの不安定化をもたらす可能性があることが、2019 年の注目点である。

国際金融システムの不安定化が発生した場合、ドル需要が高まり、ドルの流動性が低下するケースが多い。米国は先駆けて金融政策の正常化を進めており、ドル調達コストは既に上昇している。米国の国債発行増や新興国のドル需要・供給における変化、グローバルな金融規制などによってオフショアダラーの流動性が低下しつつある。こうしたドル調達環境は2019 年以降もタイト化することはあっても緩和することは考えにくい。

ドル調達環境が意図せぬ形で急激にタイト化した場合、波及先として懸念されるのは、(1)信用力の低い企業向けのレバレッジドローン、(2)脆弱な新興国、(3)国際与信の出し手である邦銀—が挙げられる。過度に悲観的になるべきではないが、備えが重要だろう。

大和総研調査季報 2020年4月春季号Vol.38

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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