2018年03月16日
サマリー
◆中小企業は業績等の改善は見られるが、持続的な成長に向けた人員や設備といったリソースが不足している。経営者の高齢化が進んでいる企業では、その存続すら問題になっている。
◆このような状況において、中小企業は投資有価証券を増やしている。これはM&Aにより関係会社・子会社などの株式取得を増やしていることの表れである。人員や設備の不足が見られる業種では積極的にM&Aが行われており、これらの不足を補うことがM&Aの動機の1つである可能性があろう。
◆中小企業のM&Aは高齢化の影響による事業承継が増えることで今後も増加していくと予想される。人員不足が今後も予想される中で、リソース不足の企業とこのような事業承継が必要な企業をM&Aでマッチングさせることは日本経済にとって有益であると考える。ただ、そのマッチングは容易ではないため、その仲介を金融機関や国が後押ししていくことが極めて重要である。
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