有価証券投資を増やす中小企業の狙いは?

持続的な成長に向けた中小企業の行動

RSS

サマリー

◆中小企業は業績等の改善は見られるが、持続的な成長に向けた人員や設備といったリソースが不足している。経営者の高齢化が進んでいる企業では、その存続すら問題になっている。

◆このような状況において、中小企業は投資有価証券を増やしている。これはM&Aにより関係会社・子会社などの株式取得を増やしていることの表れである。人員や設備の不足が見られる業種では積極的にM&Aが行われており、これらの不足を補うことがM&Aの動機の1つである可能性があろう。

◆中小企業のM&Aは高齢化の影響による事業承継が増えることで今後も増加していくと予想される。人員不足が今後も予想される中で、リソース不足の企業とこのような事業承継が必要な企業をM&Aでマッチングさせることは日本経済にとって有益であると考える。ただ、そのマッチングは容易ではないため、その仲介を金融機関や国が後押ししていくことが極めて重要である。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート