IPO市場の動向と国際化に関する比較

サウジアラムコのIPOで東証は存在感を示せるか

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サマリー

◆2016年に国内の証券取引所に新規上場(IPO)した企業は83社で、前年比で約1割減となった。前年比で減少したのは7年ぶりである。年度ベースでみても、2016年度のIPO件数は前年度を下回る見込みである。


◆IPO件数は株式相場と連動して増減する傾向があるが、株価が2000年代半ばとほぼ同水準であるにもかかわらず、IPO件数は当時の半数程度にとどまる。特に新興市場への新規上場が減少しており、上場審査体制の強化や、ベンチャーキャピタルによる投資の減少が影響しているものと考えられる。


◆世界的に見てもIPO件数は2000年代半ばに比べ減少している。欧州債務危機や新興国の景気減速および商品市況の変動に加え、中国系企業の海外上場が減少していることも影響しているようだ。


◆海外の取引所に比べ、東京証券取引所では海外企業の上場が少ない。報道によれば、サウジアラビアの国営石油会社「サウジアラムコ」がIPOを検討しており、東証も上場先の候補の1つに挙がっているという。東証の外国株は上場廃止が相次ぎ、現在6社しか上場していないが、「サウジアラムコ」の誘致が成功すればIPO件数増加の契機になるかもしれない。

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