2015年06月01日
サマリー
金融政策は様々なチャネルを通じて企業の資金調達や資金使途に影響を与える。日本銀行が2013年4月に導入した量的・質的金融緩和は、企業の銀行借入れや株式増資、転換社債型新株予約権付社債発行による資金調達を増やし、キャッシュフローの改善につながっている。企業は調達した資金で設備投資や対外直接投資を増やし、賃金の引き上げや株主還元の強化にも取り組み始めた。課題は、金融政策の効果が波及しているのは大企業が中心であることから、中小企業にまでこの金融政策の効果を波及させることであろう。
日銀が出口戦略を検討するのは早くても2016年度以降になるとみられ、企業金融は今後も緩和的な状況が続くことが予想される。しかし、海外展開を行っている企業が増えていることもあり、海外中央銀行の金融政策の変更、特にFRBの出口戦略が先んじて行われることには留意が必要であろう。
金融緩和は資産価格の形成を歪めたり、非効率な投資を増やすといった弊害を生むこともある。金融緩和でなく、成長戦略による企業の収益性向上を実現することが求められる。

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