3月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

企業金融関連DIは堅調だが、先行きに不透明感

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サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2014年3月調査結果が発表された。企業金融関連では、資金繰り判断DIが前回調査と同じ8%pt、金融機関の貸出態度判断DIは前回調査から2%ptプラスの15%ptとなった。業種や企業規模にかかわらず、全般的に改善がみられる。業況判断の改善に伴い、企業の資金繰りも安定していること、また金融機関が貸出を積極化しているものとみられる。


◆借入金利水準判断DIは-7%pt(最近)と前回調査から2%ptマイナスとなった。足元の借入金利は低下しているものの、先行き判断は前回調査と同じ4%ptとなっており、企業の金利先高観は強い。


◆2014年4月から消費税率が引き上げられたこともあり、2014年度の第1四半期に関しては一時的に景気が落ち込むことが予想されている。短観の業況判断DI(先行き)からも、先行き3ヶ月の業況悪化を予測する企業が多いことが窺える。売上げの低迷は企業のキャッシュフローにも悪影響を及ぼすことから、次回の短観においては、企業金融関連DIが一時的に悪化する可能性がある。

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