2019年01月09日
サマリー
高齢化が進展し、高齢者やその家族が直面する様々な金融・経済上の課題が顕在化している中で、「超高齢社会における金融」の在り方への関心が高まっている。政府でも議論が進められており、金融庁は「金融業界が取り組むべき方向性と顧客が留意すべき事項についての原則等」を今後取りまとめる予定である。
高齢者の資産運用の観点からは、法定成年後見では対応は難しく、任意後見契約など、第三者による運用の余地が大きい制度の活用が重要だろう。また投資資金の減少を防ぐ制度として、わが国への「ジョイントアカウント」の導入も一考に値する。
超高齢社会に対応した金融商品・サービスは既に多くあり、制度の活用等に加えて、これらの商品・サービスの認知度や普及度をいかに高めていくかが今後金融事業者に求められるだろう。また、公的年金の持続可能性に対する不安が高まる中で「運用しながら取り崩す」ための適切な商品の提供や取り崩し型の商品の多様化も必要となる。さらに、退職後の収支や金融商品の「見える化」なども今後の課題となり得る。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
ステーブルコイン推進へ舵を切る米国(前編)
ステーブルコインの概要と現況
2025年05月19日
-
日本のウェルス・アセットマネジメントビジネスの方向性
~米欧と同じ付加価値を追求しているか~『大和総研調査季報』2025年春季号(Vol.58)掲載
2025年04月24日
-
米国ウェルスマネジメント市場発展の経緯と今後の展望
~付加価値追求とインセンティブの調和~『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日