預金取扱機関の外債処分の動きは一段落か

国際収支統計・金融収支動向(2017年4-6月期)

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  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 金融調査部 研究員 森 駿介

サマリー

◆2017年4—6月期の金融収支は+4.6兆円の黒字(速報値)だった。2016年末から見られていた中長期債の売り越しが一服したこと等から証券投資の赤字幅が縮小した一方で、直接投資の黒字幅が縮小したこと等が確認できた。


◆対外直接投資は+4.1兆円の取得超となった。地域別に見ると対欧州が+1.8兆円、対北米が+1.4兆円、対アジアが+0.9兆円となっている。


◆対外証券投資は、+3.4兆円の取得超だった。株式・投資ファンド持分が引き続き取得超となったことに加え、2016年末からの預金取扱機関による中長期債の売り越しが一服したことが確認できた。対内証券投資は+4.6兆円の取得超だった。


◆その他投資の資産サイド(+1.8兆円)は貸付の減少を主因にプラス幅が減少した。負債サイド(+1.6兆円)は主な資金流入要因だった短期の借入(+0.7兆円)による流入額が減少したことで、資金流入が大幅に減少した。

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