貸出は積極的だが消費者向けの環境に変化

2016年度の銀行、信用金庫の貸出姿勢と企業、家計側の資金需要

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サマリー

◆2016年度における銀行、信用金庫の年間平均の貸出残高は前年比+2.4%の増加となった。2013年度以降、月間の平均残高は概ね前年比+2.0%~3.0%のレンジで、安定的に増加してきた。


◆銀行から見る企業の資金需要判断DIは、業種、規模に関わらず2016年度を通してほぼプラスのレンジで推移してきた。中でも、中小企業向けの資金需要判断DI、貸出運営スタンスは相対的に前向きである。理由として、設備投資の拡大や成長分野への取り組み強化を挙げる銀行もあり、ポジティブな面がうかがえる。


◆企業側から見た貸出態度判断DI、資金繰り判断DIは2016年度を通じて緩和傾向にあった。特に中小企業は80年代バブル期と同等の水準にまで達している。


◆家計向けについて銀行側の資金需要判断DIは、住宅ローン、消費者ローン共に、2016年度を通してプラスのレンジで推移してきた。ただし、貸出規制のない銀行のカードローンに対する需要の高まりが懸念されている。各行では自主規制が始まっており、今後の貸出動向が注目される。

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