2017年03月07日
サマリー
◆2016年は、今後の10年の地方銀行を含む銀行および金融機関に対する規制および監督方針が大きく変化した年と言えよう。2016年5月には銀行法等改正法の成立、2016年9月に「平成27事務年度 金融レポート」、10月には「平成28事務年度 金融行政方針」が公表された。
◆その背景には、地方銀行のビジネスの持続可能性および金融庁自身の監督のあり方に対する危機感がある。つまり、今後10年の間に想定されている生産年齢人口減少等の社会・経済構造の変化がもたらす利益率の低下圧力に対する地方銀行の経営・組織・現場の対応力が試されている。
◆この“対応力”の源泉は“付加価値生産性の向上”(≒一人当たり利鞘・手数料の向上)の変革を指していると考えられる。ただし、同生産性の向上には情報生産機能強化、付加価値の高い情報(=容易にデジタル化できない“アナログ”情報)による顧客の“囲い込み”が求められよう。
◆これらを踏まえて、地方銀行の10年後に求められる姿を目指す上での課題と、その解決の方向性を示していく。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
ネットゼロへの移行に向け、企業のバリューチェーン外での排出削減の取組み(BVCM)は広がるか?
取組むインセンティブをいかに高められるかが鍵
2024年12月05日
-
サステナビリティ情報の保証をめぐる動向
ISSA5000の公表、各国の規制、わが国での検討状況
2024年12月04日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第3版)
様々な物価・賃金指標を用いる案および住民税分離案を検証
2024年12月04日
-
消費データブック(2024/12/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2024年12月03日
-
上場廃止と従業員エンゲージメント
2024年12月04日
よく読まれているリサーチレポート
-
学生の「103万円の壁」撤廃による就業調整解消は実現可能で経済効果も大きい
学生61万人の就業調整解消で個人消費は最大0.3兆円増の可能性
2024年11月11日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算
基礎控除を75万円引上げると約7.3兆円の減税
2024年11月05日
-
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第2版)
「基礎控除引上げ+給与所得控除上限引下げ案」を検証
2024年11月08日
-
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
-
トランプ2.0で激変する米国ESG投資政策
年金制度におけるESG投資の禁止、ESG関連開示制度の撤廃など
2024年11月07日
学生の「103万円の壁」撤廃による就業調整解消は実現可能で経済効果も大きい
学生61万人の就業調整解消で個人消費は最大0.3兆円増の可能性
2024年11月11日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算
基礎控除を75万円引上げると約7.3兆円の減税
2024年11月05日
課税最低限「103万円の壁」引上げによる家計と財政への影響試算(第2版)
「基礎控除引上げ+給与所得控除上限引下げ案」を検証
2024年11月08日
石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能?
極めて達成困難な目標で、地方経済や中小企業に過重な負担の恐れ
2024年10月17日
トランプ2.0で激変する米国ESG投資政策
年金制度におけるESG投資の禁止、ESG関連開示制度の撤廃など
2024年11月07日