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転機を迎えつつある制度共済

「量的・質的金融緩和政策」下の制度共済の資産運用の現状と課題

島津 洋隆

サマリー

◆本稿では、生命保険会社や損害保険会社と同じ保険商品を取り扱う「制度共済」の資産運用と、それを取り巻く現状と課題について整理する。


◆「制度共済」とは、農協、漁協、全労済、都道府県民共済、生協等が運営する共済のことであり、生命保険会社と損害保険会社のそれぞれが提供する生命保険商品と損害保険商品に類似する共済商品を提供している。一般消費者からは、「制度共済」と生命保険会社や損害保険会社等の間には、実質的相違はさほど見当たりにくい。だが、制度面では、5つの相違点があげられる。第一に所管する監督官庁、第二にセーフティーネット組織への資金拠出の有無、第三に適用される法人税率、第四に販売可能な保険商品、第五に営利目的の有無である。


◆「制度共済」の運用資産をみると、国債、地方債、社債等の公社債が大半を占めている。特に、国債については、残存期間が10年超の国債が大半を占めている状況である。一方で、株式の総運用資産に占める比率は、生損保に比べると低い水準にとどまっている。こうした資産構成をもたらしている背景は3つあげられる。第一に「制度共済」の事業の性格、第二に「制度共済」が提供する共済の商品性、第三に法令等の規制である。


◆「制度共済」は2つの課題に直面しつつある。第一に、通商の国際的潮流が「制度共済」に変化をもたらしつつあることである。第二に、こうした状況の中で、日銀の「量的・質的金融緩和政策」に伴い、国債等公社債を中心とした運用のあり方に変化がもたらされる可能性があることである。こうした内外の課題に鑑みると、「制度共済」は転機を迎えつつあると考えられる。

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