2023年04月03日
サマリー
◆2015年以降、投資においてどのように気候リスクを考慮するか議論が活発に行われるようになり、政策的にも脱炭素社会の実現に向けた資金シフトが推進されてきた。2021年には、金融に関わる全ての機関が協調して脱炭素の実現に取り組むため、GFANZ(グラスゴー金融同盟)が発足した。
◆機関投資家は投資ポートフォリオの温室効果ガス排出量の削減に取り組む動きを加速させてきた。しかし、2022年に起きたロシアのウクライナ侵攻や、米国の複数の州政府によるアンチESGの動きなどを受け、一部のアセットマネージャー(資産運用会社)の姿勢に変化が生じている。
◆一方、年金基金や保険会社などアセットオーナーにおいて、脱炭素社会に向けた取り組み方針の変更等を打ち出す動きは見受けられない。アセットオーナーは中長期的な視野で投資をしていることに加え、ユニバーサル・オーナーとして投資判断をする必要があるためと考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
ロシアのウクライナ侵攻がESG 投資に与えた教訓
『大和総研調査季報』2022年夏季号(Vol.47)掲載
2022年07月20日
-
ESG投資反対の動き-州経済への影響を懸念
バイデン政権のESG投資促進策は、多くの州で反発を生んでいる
2022年09月15日
同じカテゴリの最新レポート
-
東証が求めるIR体制の整備に必要な視点
財務情報とサステナビリティ情報を統合的に伝える体制の整備を
2025年04月28日
-
サステナビリティ課題への関心の低下で懸念されるシステムレベルリスク
サステナビリティ課題と金融、経済の相互関係
2025年04月21日
-
削減貢献量は低炭素ソリューションの優位性を訴求するための有用な指標となるか
注目されるWBCSDのガイダンスを踏まえて
2025年04月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日