ESG格付に対する規制は進むのか

議論が先行している欧州の動向に留意

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  • 田中 大介

サマリー

◆市場への影響力が増しているESG格付には、ESG格付会社が評価基準や手法の詳細を公表していないがゆえに、様々な問題が指摘されている。

◆ゆえに、欧州のESMA、米国のSEC、日本の金融庁は総じてESG格付の信頼性は不十分であるという認識を持っており、特にESMAでは信用格付と同様、公的機関への登録・監督など信頼性向上のための具体的な手段を提示するに至っている。

◆日本でもサステナブルファイナンス有識者会議にて議論が行われている。2021年6月18日に公表された報告書では、規制手段について明確な記載がないものの、「行動規範」という言葉からスチュワードシップ・コードを想起させる表現を用いている。

◆ESG格付は信用格付とやや性質が異なることから、信用格付会社を対象とする規制が援用できるかも含めて、実効性のある制度の検討が進むことを期待したい。

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