2019年10月21日
サマリー
◆投資家と企業の対話において、企業の環境や社会課題に対する取り組みへの期待は高まりつつある。ESG情報の開示を行う企業が参考にするフレームワークやガイドラインとして多いのは「GRI」である。
◆GRIスタンダードをもとにすると、ESG情報の「S(社会)」の要素は概念的に5つに整理できる。すなわち、①労働者に関する雇用や労使関係、②サプライチェーン等の人権リスク、③製品責任等の消費者課題、④地域社会との関わり、⑤公正な事業慣行やコンプライアンスである。ダイバーシティや人権と地域社会、健康と安全、製品サービスの安全といったテーマは、上場企業が取り組むESG活動の取り組みの中でも上位にきている。
◆企業によって事業内容や経営戦略は大きく異なり、ステークホルダーとの関係性によっても検討すべきマテリアリティは異なる。「S(社会)」に関しては、経済環境や政策動向の変化によって、社会課題そのものが変化していくことから、企業組織や経済社会の抱える課題を多様な視点から捉えることが求められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
企業が注意を払うべき人的リスクの存在
雇用の側面から見た、企業のリスクマネジメントに求められる視点
2019年09月25日
-
ESG投資で注目高まる従業員満足度の開示
非財務情報の開示で期待される企業と投資家の対話促進
2019年08月14日
-
企業の不祥事予防に何が必要か
今後重要性を増す、現場の実態を把握するための従業員意識調査
2019年07月23日
-
企業の不正予防につながる内部通報制度
内部通報制度認証の取得は企業のコンプライアンス対応を示す指標
2019年06月20日
同じカテゴリの最新レポート
-
ESGスコアの成長率と企業パフォーマンス
「社会」に関する取組みの中長期的な継続と向上の重要性
2025年06月26日
-
投資家の自然資本/生物多様性に関する評価軸
Nature Action 100、Springが示す枠組み
2025年06月20日
-
スチュワードシップとESGは別モノ:英FRC
英国でスチュワードシップの定義を変更、ESG要素を削除
2025年06月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日