2018年12月25日
サマリー
◆管理職、部長職、役員、執行役員の各役職を対象に、2015年度における外国人の登用ありと登用なしでグループ分けすると、外国人の登用なしよりも登用ありの方がROEやROAの水準が高い。また、ROEの上昇幅も外国人の登用ありの方が大きく、ROAの上昇幅についてもほとんどのケースで外国人の登用ありの方が大きい。
◆外国人登用の有無によるROEの水準の差について検定すると、2016年度と2017年度において管理職や部長職で統計的に有意である。ROAの水準の差については、管理職は2015年度から2017年度のすべてで、部長職は2016年度と2017年度で統計的に有意である。
◆各役職での外国人比率が上昇した企業と低下した企業(変化なしを含む)でグループ分けした場合は、管理職と部長職は2016年度と2017年度で、役員と執行役員は2017年度で比率が上昇した企業の方がROEの水準が高い。また、ROEやROAの上昇幅については、2017年度はすべての役職で外国人比率が上昇した企業の方が大きい。
◆外国人比率が上昇したか低下したかによるROEの水準の差についての検定では、2016年度は管理職と部長職、2017年度はすべての役職で統計的に有意であった。ROAの水準の差については、2017年度の管理職と部長職で統計的に有意である。ROEやROAの上昇幅については、2017年度の執行役員のみで統計的に有意であった。
◆特に、期待とは逆の状況になっている外国人役員の登用と財務パフォーマンスの関係については、さらなる分析を進めることが課題である。本稿の分析では管理職や部長職における外国人の登用とROEやROAが関係している可能性が示され、管理職クラスへ外国人の登用を進める環境整備の重要性が示唆されたと解釈できる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
ダイバーシティと企業パフォーマンス(3)
~各役職における女性の登用状況と財務パフォーマンスの関係~
2018年11月07日
-
ダイバーシティと企業パフォーマンス(2)
~女性比率はセクターと、外国人比率は企業規模やセクターと関係~
2018年08月06日
-
ダイバーシティと企業パフォーマンス(1)
~日本企業における女性や外国人に関するダイバーシティの状況~
2018年06月06日
同じカテゴリの最新レポート
-
紛争の激化がサステナブルファイナンスに与える影響
脱炭素への取り組み、防衛産業の取り扱い、人権保護等の観点から
2026年04月13日
-
企業のAI導入・利用に必要な人権の視点
世界で進展するAI規制の展開と日本の現状を踏まえて
2026年04月10日
-
英国でもESG投資と受託者責任の関係は混迷
年金基金のESG投資に関するガイダンス策定を定める法案が否決
2026年04月03日
最新のレポート・コラム
-
上場オーナー企業と公開買付制度・大量保有報告制度の見直し
2026年5月1日に大量保有報告書等の提出義務が発生する場合も
2026年05月15日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第1部)
デジタルアイデンティティの基本像と、EUDIウォレットにみる制度化・実装動向
2026年05月14日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 何故、わが国では潜在成長率が低迷しているのか?
高市政権は成長戦略を強化する方針だが、①労働、②資本、③TFP(全要素生産性)という3つの要素をバランス良く底上げする必要
2026年05月13日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
中東リスクがASEAN進出企業に与える影響の差は、どのように生じているか?
2026年05月15日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

