2015年11月26日
サマリー
◆投資先企業の評価において、財務情報のみでなく環境・社会・ガバナンス(ESG)などの非財務情報を考慮することが有用だとする考え方が、欧米の機関投資家の間で広がりつつある。わが国においても、GPIFのPRI署名により、資産運用業界で投資先企業のESG情報を活用する動きが本格的に広がる可能性がある。
◆ESG情報にはどのようなものがあり、その開示はどの程度進んでいるのだろうか。他国企業との比較から日本企業の開示はどのように評価されているのだろうか。本稿では、グローバル時価総額上位500社のESG情報開示の現状を概観し、国際比較から日本企業のESG情報開示の傾向と課題を探った。
◆日本企業のESG情報開示状況を海外企業(仏・英・米・中)と比較すると、(1)欧州企業ほど幅広い開示は行われていない、(2)Eに関する開示と比べて、SとGに関する開示は限定的である、などの傾向が確認できた。
◆CSR関連レポートは、必ずしも投資家を対象に発行されているわけではないが、ESG情報への投資家のニーズが高まるなか、日本企業はCSR関連レポートを投資家に訴求する情報開示のツールとして活用できる可能性があろう。
◆定量的なESG情報を求める投資家に訴求するためには、CSR関連レポートを「いいこと」「いいもの」を紹介するパンフレット型のものでなく、自社の事業にとって重要なCSR課題に関するデータを盛り込んだデータ重視型のものとすることが有用ではないか。
◆また、ESG情報のなかでも、特に投資家のニーズが高いのはGに関する情報だと考えられる。日本企業は既に相対的に進んでいるEに関する情報開示に加え、Gに関する情報開示を進めることで、ESG情報を求める投資家のニーズに訴求できる可能性があろう。
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