排出量取引マーケットレポート 2012.10.12

欧州連合と中国が排出量取引制度などで協力

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2012年10月12日

  • 大澤 秀一

サマリー

マーケットサマリー(2012/9/14~2012/10/11)

底堅く動くも、トロイカとギリシャ政府の協議の進捗を懸念して上値の重い展開


関連トピック

欧州連合と中国が排出量取引制度などで協力
第15回EU-中国サミット(ブリュッセル)の成果の一つとして、欧州委員会のアンドリス・ピエバルグス開発担当委員と中国商務部の陳徳銘部長は、環境、都市化、気候変動の課題に協力して対処するための資金援助協定に調印した。今回の注目点は排出量取引制度の設計・実施が含まれていることである。EUはEU-ETSのグローバル化の一環として中国を取り込み、中国は国内排出量取引を2015年までに国家レベルで整備し、排出量の削減努力を世界にアピールしたい狙いがある。

第18回気候変動枠組条約締約国会議(COP18)に向けた政府戦略
2012年11月26日~12月7日までの予定で、第18回気候変動枠組条約締約国会議(COP18、ドーハ)が開催される。日本はカナダやロシアとともに京都議定書第二約束期間への不参加を決めており、2013年以降の移行期間における取り組みを議論する作業部会と、2020年以降の枠組を議論する作業部会が重要になる。日本がこれまで自主的に進めてきた「二国間オフセット・クレジット制度」と、2020年に向けた日本の中期目標の取り扱いが注目される。

地球温暖化対策税(環境税)が導入される
2012年10月1日、環境税として「地球温暖化対策のための税(地球温暖化対策税)」が導入された。「地球温暖化対策税」は、2012年7月1日に始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」や、現在検討されている「国内排出量取引制度」と合わせて、地球温暖化対策の主要3施策と政府が呼んでいるものの一つである。複数の施策をパッケージ化することで、相乗効果の創出が期待されている。

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