ESG情報開示の現状と課題
~情報を有効に活用する視点から~『大和総研調査季報』 2011年新春号(Vol.1)掲載
2011年02月01日
サマリー
欧米を中心として、投資先企業の環境・社会問題・企業ガバナンス(ESG)への取り組み状況を投資判断に組み入れる社会的責任投資(SRI)の投資規模が拡大している。企業は、株主を含めた広範なステークホルダーに向けて自社のESGへの取り組みにかかる情報を発信している。財務情報の開示の詳細化や国際的統一の流れとも影響し合い、ESG等非財務情報の開示を推し進める動向は勢いを増している。企業の社会的責任(CSR)に関する情報開示に取り組む企業も増加しているが、企業ごとに開示事項は異なり、比較可能性は十分に確保されているとは言い難い。
投資家側でも、SRIへの関心は高まっており、投資情報としてのESG開示の充実を求める声は強い。わが国では環境に関する情報開示が相対的に進んでいるものの、社会問題やガバナンスの開示では、欧米に一歩遅れており、一層の充実が期待される。
今後開示が進むESG情報を活用して、受託資産の増大にどのように結びつけていくかが、課題となろう。
大和総研リサーチ本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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