2026年10月26日
サマリー
◆投資信託などの金融商品の持分として株式を保有する投資家が、金融商品を組成・販売する資産運用業者を通じて株式の議決権行使を指図する「議決権パススルー」の利用が米国を中心に急速に広がっている。
◆議決権パススルーでは、顧客があらかじめ議決権行使ポリシーを選択し、持分に応じた議決権についてそのポリシーに沿って賛否を決めるのが基本的な仕組みだ。顧客の多様な考えを議決権行使に反映できる一方で、親ESG、反ESGの双方から批判を受けてきた資産運用業者にとって、議決権行使判断を顧客自身に委ねるという受託者責任上の意味も持つ。
◆Vanguard、BlackRock、State Streetといった世界最大級の資産運用業者が利用を拡大する一方、日本では、少なくとも公表情報を見る限り、投資信託のリテール顧客を対象とする議決権パススルーの導入や具体的な検討の動きは顕在化していない。議決権パススルーが実際に大規模利用される段階に入った現在、日本でも顧客の意向を議決権行使にどう反映するかという問題を改めて検討する余地がありそうだ。
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