超高齢社会に向けた家計金融資産運用

~資産の偏在と運用の重要性~『大和総研調査季報』 2015年夏季号(Vol.19)掲載

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2015年09月01日

  • 中里 幸聖
  • 政策調査部 研究員 佐川 あぐり
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠

サマリー

超高齢社会となるわが国は、家計の金融資産の減少要因を抱えている。家計の金融資産の減少は、最終需要にマイナス要素であると同時に、実物投資の原資減少という形で、生産活動にもマイナス要素となり得る。こうした問題認識の下、家計の金融資産の現状と将来について世帯類型の変化を加味して整理し、金融資産運用の重要性の提示を試みた。


具体的には、現役世代の多数派である20代~50代が世帯主である家計について、年齢別、世帯の類型別(単身男性、単身女性、夫婦のみ、親子)に家計収支と金融資産残高を推計し、現状踏襲シナリオと積極運用シナリオの二つのシナリオを設定し、2030年の年齢別世帯類型別の金融資産残高を試算した。さらに、2014年と2030年の年齢別世帯類型別の世帯数の変化を加味して、対象世帯全体の金融資産残高を試算した。


今回の積極運用シナリオは堅めの仮定に基づいたものであるが、シミュレーションの結果、リスク資産の構成比を高めることが金融資産増加に有効であることを確認できた。


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