2020年10月07日
サマリー
◆資本市場でESGスコアの存在感が高まっている。ESG投資が急速に拡大する中で、機関投資家は投資先企業のESG対応状況を評価するために、ESG評価機関が定量的に測定するESGスコアを活用している。
◆ESGスコアの活用の代表的な例として、ESGスコアの良い上場企業を中心に組み込んだ株価指数(=ESGインデックス)が開発され、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が日本株で約4兆円を運用している。また、機関投資家は、ESGスコアに基づいて投資先企業と対話を行っており、一部の大手機関投資家はESGスコアの低い上場企業の取締役選任に対しては反対・保留する方針を打ち出している。また、ローン金利等とESGスコアを連動させる金融商品も出始めている。
◆ESGスコアの評価項目においては、従来の日本企業が意識してないような評価視点もあり、注意が必要である。上場企業にとって、ESGスコア対応は、自社のESGの取組みがグローバルで期待される視点に沿って実施・開示できているかを点検する重要な機会になると考える。本稿においては、ESGスコアの概要や上場企業としての開示対応の実務、今後のESGスコアの在り方について整理していく。
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