2023年12月26日
サマリー
◆昨今、新型コロナウイルス感染症拡大やロシアによるウクライナ侵攻により世界の食料需給に大きな混乱が生じ、国内外において食料安全保障が重要課題として取り上げられている。
◆本稿では、食料安全保障の定義や食料安全保障が注目されている背景について需要面と供給面から整理し、世界及び日本における食料安全保障の現状について概説した。現時点における日本の食料安全保障は世界各国と比較して高い水準で保たれているものの、もともと食料自給率は低く、飼料や種の自給率を考慮するとさらにその数値は低下する。
◆そうした状況を受けた、直近の日本における食料安全保障政策の見直しの方向性について概観した後、食料安全保障強化に資する可能性のある主なフードテックやアグリテック分野として(1)垂直農法、(2)代替肉、(3)スマート農業を取り上げ、各分野の概要とその代表的な企業例を紹介した。これらの分野を盛り上げることで、我が国の食料供給における生産性向上、収穫率向上を目指し、食料安全保障を強化していくことが期待される。
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