サマリー
◆公的年金は原則として65歳から受給開始されるが、受給者は受け取り開始年齢を60歳~75歳の間で選択できる仕組みになっている。累計受給金額を最大にすることを切り口に、何歳で受給開始するのが最適か考える。
◆2022年4月に繰上げ受給の制度変更があり、減額率が▲0.5%/月から▲0.4%/月になった。この影響を分析すると、最適受給開始年齢は早期化する結果となった。また、2024年3月に日本銀行がマイナス金利を解除した。割引現在価値の考え方を用いて分析すると、金利が高くなることで最適受給開始年齢が早期化する結果になった。
◆最適受給開始年齢は一定の水準で急激に変化する特徴がある。そのため、金利が上昇していくと、最適受給開始年齢が一気に前倒しになり得る。年金受給開始は就労意欲と密接に関わってくるので、早期に退職して就労しない人が急増してもおかしくない。中長期的な人手不足に悩む日本経済にとって、制度的な要因で就労が抑制されてしまうのであれば問題だ。
◆そこで、最適受給開始年齢の急激な変化を平準化する方法を示す。繰上げ受給・繰下げ受給の増減額を一定にすることだ。制度的な要因による就労意欲への悪影響を小さくする方法を検討すべきだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
医療等情報の一次利用を広げるには
広範な閲覧・迅速な共有・義務化へ移行で拡大する豪州の一次利用
2026年03月12日
-
中小企業の従業員に資産形成機会の充実を
勤労者への資産形成機会の拡大、金融所得格差の是正に向けて
2025年12月29日
-
介護情報基盤の構築に向けた現状と課題
全国実施の遅れは地域包括ケアシステムの推進にもマイナスの影響
2025年07月10日
最新のレポート・コラム
-
IOSCOの2026年作業プログラム
グローバル化とデジタル技術の進化がもたらす構造的リスクに対処
2026年03月13日
-
財政安定化の条件:ドーマー条件成立だけでなく、PB黒字化が重要
財政シリーズレポート4
2026年03月13日
-
米国:AIブームの裏側で高まる金融リスク
ITセクターの収益懸念が揺らすプライベート・クレジット市場
2026年03月13日
-
大和のクリプトナビ No.8 東証が暗号資産トレジャリー企業への対応を検討か
トレジャリー企業を巡る直近の動向と海外制度の整理
2026年03月12日
-
続・アクティビスト投資家進化論
~今後アクティビスト投資家に求められる「価値創造力」~
2026年03月13日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日


