処遇改善よりも効果的な人材不足への対応策

負担軽減や家庭との両立支援策の拡充、高技能労働者の活用がカギ

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2018年11月05日

サマリー

◆介護労働者の大半は女性(幅広い年齢層の正規・非正規)である。そのため、人材の定着・確保を考える場合、女性介護労働者を中心に施策を検討する必要がある。

◆政府は、キャリアの長い(10年以上)介護職員の処遇を改善することで、介護人材の定着を促す方針を示しているが、平均勤続年数の短さを踏まえれば、勤続年数が10年未満の介護職員への対策がより喫緊の課題と考えられる。

◆介護人材不足の一因に低賃金であることが指摘されているが、女性の間で賃金を比較した場合、介護労働者は決して低賃金ではない。それでも介護労働者の賃金が低いと言われるのは、業務内容の割に賃金が低いと捉えられているためである可能性がある。

◆業務負担の割に賃金が低いと考えられているのだとすれば、処遇改善以上に、業務負担の軽減が人材の確保・定着に効果的であろう。また、介護分野では結婚・出産・妊娠・育児などライフイベントに伴う女性職員の退職が他産業よりも多いことから、家庭との両立支援策の拡充も重要だ。

◆より長期的には、介護ロボットやAIなどの技術を使いこなして新たな付加価値を生み出すような高技能労働者の活躍できる場としていくことが、介護産業には求められる。保険外サービスを含めて生産性を高めることで賃金を引き上げ、人材不足を解消していくことが望まれる。

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