生産性向上と離職率低下をもたらす介護助手の活用

介護助手の担い手は高齢者に限定せず、25~54歳の女性にも広げよ

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2018年10月11日

サマリー

◆介護の周辺業務を担う「介護助手」が全国で広がりつつある。介護分野では専門性に応じた業務分担が十分になされていない。介護助手でも行うことのできる業務は、例えば入所系介護職員が行っている業務のうち、少なくとも1割ほどはあるとみられる。諸外国では各職種の機能分化が進んでいることに加えて、介護業務を細分化することで、多様化するニーズへの的確な対応が期待されている。

◆経済産業省の報告書で示された試算によると、介護助手の導入によって介護産業の生産性が向上し、2035年に79万人不足するとされている介護人材の需給ギャップを20万人分縮小させることができるという。また、介護職員の負担軽減に伴って離職率が現在(16.7%)から1%ポイント低下した場合、約8万人の人材供給増になるという。そのような状況を実現するには、数十万人の単位で介護助手の担い手を確保する必要があるが、高齢者に限定せずに25~54歳女性も参入の対象として政策を進めるべきである。

◆介護助手の導入によって、人員配置に関する基準以上に職員が投入されている介護現場の効率化が進めば、介護の受け皿を増加させることができ、介護事業所の収益力も高まる。介護人材の不足が懸念されている中、介護事業の生産性向上と処遇改善は介護の担い手の増加にもつながるだろう。

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